若泉謙太
Post-doctoral fellow, Shirley Ryan AbilityLab, Northwestern University
発表演題: 家族留学のすゝめ
米国シカゴのノースウェスタン大学へ留学して3年が経とうとしている。医学部のキャンパスはシカゴの都市の中心部に位置しており、留学者の多くがその近くに住んでいる一方で、我々はダウンタウンから少し離れた、周囲に日本人が住んでいないエリアで、この3年間を過ごしてきた。
先日、妻と留学生活について振り返って話をする機会があった。この抄録を書くにあたって、留学生活を成功させる秘訣みたいなものがあれば良いと思ったのだ。留学を考えているほとんどの人にとって、家族との折り合いをどうつけるかは重要な問題の一つである。家族構成や価値観の違いにより、それぞれの家庭にとって重視するポイントは様々であり、一概に何が最適かを結論づけるのは難しい。
妻との会話で浮かび上がってきたポイントは以下の3つだった。「無理をしないこと」、「焦らないこと」、そして「家族と向き合うこと」である。私は自分たちのペースで、生活を楽しめればそれで良いと思う。「隣の芝生は常に青く見えるもの」である。よくある留学体験の美談を聞いて、ハードルを上げすぎることに警鐘を鳴らしたいと思っている。家族と向き合い、生活の中で優先すべきことを決め、焦らずにそれらを一つ一つ遂行していく。それが、留学生活を成功させる秘訣なのではないかと感じている。
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