top of page
Japan XR Science Forum 2020

「異分野交流 X 留学後のキャリア」 Powered by Bristol Myers Squibb  青沼達也/Indiana University

更新日:2020年7月12日


青沼達也

Postdoctoral fellow, Indiana University School of Medicine


発表演題: 心筋梗塞におけるmicroRNA-150の心保護効果




心疾患は米国において死因の第1位を占めており、7人に1人は心筋梗塞などの冠動脈疾患により命を落としている。心臓の自己再生能は非常に限られているため、心疾患の治療法が進歩した現在においても心疾患に対する新規治療法の開発が切望されている。心疾患によって非翻訳RNAの発現が大幅に変化する事が知られており、非翻訳RNAは蛋白には翻訳されないが特定の遺伝子発現を抑制して様々な病態に寄与する。我々の研究室では心疾患において特定のmicroRNA(miR)等の非翻訳RNAが関与する心保護シグナルについて研究を行っている。我々は複数のmicroRNAが有する心保護効果を報告しており、その中でも心疾患患者の予後と相関する事が報告されているmiR-150の研究を進めている。我々は以前にグローバルmiR-150欠損マウスを用いてmiR-150が心臓細胞のアポトーシスを抑制して心保護効果を有する事を報告した。しかしながら、心筋細胞におけるmiR-150が心保護に寄与する詳細なメカニズムは未だ明らかになっていない。そこで我々は心筋細胞特異的なmiR-150欠損マウスを作成し、心筋梗塞モデルにおいて心筋細胞のmiR-150が特定の新規標的遺伝子を抑制して心保護に寄与する事を確認した。非翻訳RNAは心疾患の新規治療ターゲットとして臨床応用に向けて研究が進められている研究分野である。miR-150は心疾患患者で発現レベルが変化する事が報告されており、miR-150は将来の心疾患治療のターゲットとなる可能性を秘めている。


閲覧数:10回0件のコメント

Comments


bottom of page