小島敬史
Postdoctoral Researcher, Northwestern University
発表演題: 遺伝性難聴原因遺伝子KCNQ4のin vitro病態解析と治療薬スクリーニング
先天性難聴は出生児1000人に1人と高頻度に発生し、半数以上は遺伝子変異に起因する。大規模な遺伝子解析により原因候補は続々と報告されるが、基礎生物学的裏付けを欠いている物が多い。このデータと実臨床の間をつなぐ高効率な機能解析が急務とされている。
KCNQ4遺伝子は内耳においては外有毛細胞底部に豊富に発現する電位依存性カリウムチャネルKv7.4を翻訳し、聴覚の周波数選択性に重要な役割を果たしていると考えられている。本遺伝子は常染色体優性遺伝形式をとる非症候群性遺伝性感音難聴DFNA2の原因遺伝子であり、優性遺伝形式をとる遺伝性難聴では最も頻度が高い。優性阻害効果もしくはハプロ不全によるチャネル機能異常が病態であると考えられていた。
今回我々はKCNQ4の短縮型バリアントに着目し、ドキシサイクリン濃度依存的に目的蛋白を発現させるStable cell lineを構築した。プレートリーダーを用いてリアルタイムに細胞死を観察し、HEK293T細胞や野生型と比較し、短縮型バリアントではドキシサイクリンの濃度依存的な強さで細胞毒性を発揮していた。さらに、上記の系を用いて既存の化合物ライブラリーを用いて、どのような薬物が病態を制御できる可能性があるかについてスクリーニングを行った。
我々の系は蛋白機能解析のみならず、その結果を臨床への応用へと繋げうる発展性の高い研究であると言える。
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