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「細胞 X 最新研究」Powered by 大鵬イノベーションズ 正木克宜/慶應義塾大学


正木克宜

慶應義塾大学医学部呼吸器内科 助教


発表演題: Filaggrin遺伝子変異が気管支喘息に与える影響

【背景】近年、同一個体に複数のアレルギー疾患が発症する病態である「アレルギーマーチ」において、抗原の経皮的な感作がその原因となることが明らかとなった。そして、皮膚バリア機能を担うタンパク質であるFilaggrinをコードする遺伝子の異常はアトピー性皮膚炎の発症と難治化に関連するだけでなく、喘息の発症リスクとなることも知られている。

【目的】Filaggrin遺伝子異常が喘息に与える影響を経皮感作喘息モデルマウスおよび重症喘息コホート(Keio-SARP)登録患者データを用いて検証する。

【方法①】WTおよびFilaggrin KOマウスの耳介にダニ抗原を複数回塗布し、ダニ抗原の2回の点鼻チャレンジを行った4日後に気道炎症や気道過敏性を測定した。

【方法②】重症喘息患者121人を対象にFilaggrin遺伝子変異の有無とその臨床的特徴の関連を後ろ向きに解析した。

【結果①】Filaggrin KOマウスはWTマウスよりも血清IgE値とBAL中の好酸球数が高値であり、気道過敏性が亢進した。

【結果②】Filaggrin遺伝子変異陽性者は11人(9%)であり、うち3人にアトピー性皮膚炎の合併があり、また7人にダニをはじめとする複数の吸入抗原への感作があった。陽性者は陰性者に比較して若年発症者の割合が多く(64%vs 32%)、喘息コントロールスコアの点数が低く(15.7 vs 19.1)、致死的な発作の既往のある割合が高かった(36% vs 13%)。

【結語】Filaggrin遺伝子の異常は抗原の経皮的感作の促進を通じて喘息の発症や症状コントロール悪化に寄与することが示唆された。

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