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根本孝裕「新しい網膜遺伝子治療薬へ向けた人工的進化と機械学習によるアデノ随伴ウイルスの改良」

執筆者の写真: cheironinitiativecheironinitiative

名前:根本孝裕

所属:Institute vision

トピック:新しい網膜遺伝子治療薬へ向けた人工的進化と機械学習による アデノ随伴ウイルスの改良


 進化では個々のランダムな遺伝的変異のうちたまたま環境に適応するものが自然選択されて子孫を多く残す。この進化を膨大な 年月行うことにより生物は現在のような多様性を得た。進化と同様な考えで、目的に応じたバクテリアやウイルスの変異種を開発す る手法が指向性進化法(Directed evolution)である。バクテリアやウイルスのベースとなるもの(例えば野生型)の遺伝子に人工 的変異を加え、その後人工的な選択(目的に応じて人工的に用意された自然選択)を課すことにより人工的進化を引き起こし、優れた 変異種を開発する。手法は現在までに幅広く使われ、2018年のノーベル化学賞にも繋がった。最近では機械学習と合わせて、人工 的進化を定量的に『学習』し、より効率的に進化を促進することが研究されている。この講演では、現在Institut de la Visionで行 なっている指向性進化法と機械学習を使った共同研究を紹介する。この共同研究では、アデノ随伴ウイルスという網膜の遺伝子治 療に実際に使われているウイルスベクターを指向性進化法と機械学習を使い改良することを目的とする。遺伝的な網膜変性(レー バー先天性黒内障)の治療に使われている遺伝子治療薬としてアデノ随伴ウイルスを用いたLuxturnaがあるが、これはウイルスベ クターを直接網膜下へ注入しなければならばならないため、リスク、費用ともに大きい。一方より一般に使われている、より安全で安 価な眼球への薬品注入法として硝子体内注射がある。しかしこれを用いると、硝子体と網膜下を隔てる分厚い膜、内境界膜 (Inner limiting membrane)がウイルスベクターの網膜下侵入を阻害し十分な効果が得られない。講演では、この状況を改善するために Institut de la VisionのDeniz Dalkaraのグループが行ってきた、指向性進化法による内境界膜通過に最適化されたアデノ随伴 ウイルス開発をまず紹介し、その後共同研究である次世代シーケンシングと機械学習のアデノ随伴ウイルス開発への応用について 説明する。




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