島川祐輔「アフリカにおけるB型肝炎の母子感染の排除(エリミネーション)を目指して」

名前:島川祐輔

所属:パスツール研究所

トピック:アフリカにおけるB型肝炎の母子感染の排除(エリミネーション)を目指して


従来、グローバルヘルスにおける三大感染症といえば、HIV、結核、マラリアであったが、近年、肝炎ウイルス、特にB型とC型の慢性感染による死亡者数がこれら三大感染症に匹敵することがわかってきた。これを受け、WHOは2030年までに全世界的な肝炎の排除(エリミネーション)を目標に掲げ、各国は様々な対策の実施・普及を行っている。特に、B型肝炎については、ワクチン、診断薬、抗ウイルス薬など、エビデンスに基づいた有効な武器をすでに私たち人類は持っている。しかし、世界において最もB型肝炎の有病率の高いサハラ以南アフリカにおいては、脆弱な医療・保健システムをはじめ、経済・社会・文化など様々な要因によって、高所得国で広く普及・確立している対策を同様に実施することは容易ではない。一例として、B型肝炎の母子感染予防には、出生直後の児にワクチン接種を行う「Birth dose(バース・ドーズ)」が有効とされるが、自宅分娩率の高い地域でそのような対策を実施することは困難である。本講演では、高所得国においてすでに有効性・安全性の確立したワクチンや治療薬を、どのように低所得国で実施していくのか、「Implementation science(実装科学)」の重要性について考えたい。





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